坂本澄子個展「時の回廊」〜 旅の記憶と空想が重なる風景へ
アイスランドでの交流展示会に参加した、日本アイスランド協会会員の画家・坂本澄子さんが、10月19日から25日まで、東京・麻布十番のギャラリー・ラ・リューシュで個展「時の回廊」を開催します。作品が生まれた背景や、個展に寄せる思いをご紹介します。
私は、実際に目にした風景に、記憶や心に浮かぶイメージを重ねた「心象風景」を描いています。今回の主な舞台は、約40年ぶりに再訪したドイツです。
大学時代にドイツ語を専攻し、南ドイツに留学しました。ところが卒業後はドイツ語を使う機会もなくなり、いつしかドイツは遠い国になっていました。
長い年月を経て、母の遺品を整理していたとき、当時ドイツから両親に宛てて書いた手紙を見つけました。それをきっかけに、今年2月、再びドイツを訪れました。
黒の森や中世の面影を残す古い街並みは、当時と変わらないようでいて、少し違う表情を見せてくれました。風景に昔の記憶が重なり、今の自分の目で見つめ直す。その出会いから、今回の作品が生まれています。
静寂に包まれ、奥へと誘われるような黒の森。宵の光が残るフライブルクの路地。歴史を重ねてきたローテンブルクの街並み。

会場には、こうした旅で出会った風景をもとにした作品と、空想から広がった作品が共に並びます。現実と空想、過去と今が重なり合う空間を、ゆっくり巡っていただければと思います。
アイスランドの展示会では、作品を前に、初めて会う方々と自然や生命について話す機会に恵まれました。描いたときの思いに、その方自身の記憶や感じ方が重なり、絵の世界が広がっていく。そんな経験から、作品を直接見ていただき、言葉を交わす時間の大切さを改めて感じています。
秋のひととき、絵の中の風景を旅するようにお楽しみいただけましたら幸いです。アイスランドでのお話も交えながら、会場で皆さまにお会いできることを楽しみにしています。
坂本澄子個展「時の回廊」
会期:2026年10月19日(月)~25日(日)
時間:12:00~19:00(最終日は17:00まで)
会場:ギャラリー・ラ・リューシュ(東京・麻布十番)
詳細はこちらをご覧ください。
よろしくお願いいたします。